「もしかして、あの人と自分は相性がいいかも!?」、「自分とあの人は相性良くないけど、あの点が原因かも。じゃあ、どうしようかな?」
そんな感じで人間関係を推測し、今後の見通しまで考えられたら便利ではないでしょうか?
今回は『人間関係の構築が苦手な人のためになりそうな心理学の法則』について書きます。
この理論を知っておくことで、いろんな人との対人関係がうまくいっているのかいないのかを簡易的に診断し、人間関係の悩みを少しずつ解決の方向に持っていけると思います(*'▽')
「上手な人間関係を構築するのが苦手だ・・・」
「人間関係において悩みが多く、どうすれば良いのか分からない」
そんな方たちの参考になれたら幸いです。
- 人間関係の診断に利用できそうな心理学の法則
- 【敵の敵は味方、昼ドラ、複雑な人間関係が分かりやすく!】例を考えるとより面白い、心理学の法則
- 【無理に変えると逆効果!】心理学の法則の法則から、現代のSNSで起きがちな問題を考えてみる
- この記事の参考文献
人間関係の診断に利用できそうな心理学の法則
人間関係の構築にお悩みの方に知って欲しい法則とは、『バランス理論』です。ご存知ですか?なかなか面白い心理学の法則です(*'▽')
バランス理論とは、アメリカの心理学者であるフリッツ・ハイダー氏によって提唱された、対人関係に関する理論の1つです。バランス理論では、『人(P)と相手(O)と対象物(X)それぞれの関係によって、人と相手の関係のバランスが取れているか否かが決まる』とされています。
図で表すと上のようになります。人が相手に対して持つ態度(P⇒O)は、人の対象物に対する感じ方や関わり方(P⇒X)と相手の対象物に対する感じ方や関わり方(O⇒X)の影響を受けます。
関係でバランスが取れているか否かの判断ですが、まず各々の感じ方や関わり方が『好き・尊敬・興味がある・似ている』などの肯定的なものであれば『プラス』、『嫌い・軽蔑・無関心・無関係』などの否定的なものであれば『マイナス』と表します。
そしてそれぞれの記号を掛け算した結果がプラスになれば『バランス(均衡)が取れている』、マイナスになれば『バランスが崩れている(不均衡)』ということになります。
バランスが取れていない(不均衡な)場合、人はその人間関係にストレスを感じてしまいます。なのでストレスを和らげるために何とかバランスの取れた状態に持っていこうとします。
そしてそれには、次の3つの方法があると言われています。
- 自分の態度を変える
- 相手に対象への態度を変えてもらう
- 相手との関係を変える
いずれかの方法により、バランスの取れた関係を取り戻そうとするようです。
【敵の敵は味方、昼ドラ、複雑な人間関係が分かりやすく!】例を考えるとより面白い、心理学の法則
バランス理論は、例を考えてみると簡単に想像できて分かりやすくなると思います(*'▽') ここで、いくつか例を考えてみました。
1.不均衡な人間関係その1
上の図の場合、『プラス×プラス×マイナス=マイナス』となります。どんな場面が考えられるでしょう?
例えば仕事面であれば、Xを『地位、報酬、成果、魅力的な案件など』と当てはめると、自分(P)と他の社員(O)で熾烈な出世争いが繰り広げられていることになります。
しかしそれでは不均衡な状態になり、自分も他の社員もストレスを感じることになります。それを解消するには、『チームとしてお互いに協力関係になる(P⇒Oをプラスにする)』、『自分か相手のどちらかが譲る(P⇒XまたはO⇒Xをマイナスにする)』などが考えられます。
恋愛面で考えてみるとどうでしょう?上の図、まさに三角関係ではないでしょうか?
同じ人(X)を好きになる。この関係を均衡にするには『自分(P)か相手(O)のどちらかが諦める』という、昼ドラのような事態になりそうです(;'∀')
2.不均衡な人間関係その2
上の図の場合、『マイナス×プラス×プラス=マイナス』となり、これも不均衡です。
仕事面の例だと、『同じチーム内でも自分(P)はA案(X)に反対なのに同僚あるいは上司(P)はA案に賛成している』という状況が考えられます。
この場合、『自分がA案を肯定的に考える努力をする(P⇒Xをプラスにする)』または『同僚または上司に、A案を否定的に考えてもらうよう説得する(O⇒Xをマイナスにする)』といった行動により均衡を保つことが考えられます。
『自分がチームから抜ける(P⇒Oをマイナスにする)』という方法もあるかもしれませんが。
恋愛面では、『恋人の趣味が理解できない』といった例が考えられます。
この場合は、『自分が恋人の趣味を好きになる(または理解できる)努力をする(P⇒Xをプラスにする)』または『恋人に止めてもらうよう説得する(O⇒Xをマイナスにする)』、『別れる(P⇒Oをマイナスにする)』ということが考えられます。
『恋人がギャンブルや高額ブランドにハマり過ぎて理解できない・・・』というのもこれに該当するかと。ストレスを溜めないためにも、さっさと恋人関係を解消したほうがいいでしょう(*'▽')
3.バランスの取れた人間関係その1
上の図の場合、『マイナス×マイナス×プラス=プラス』となるので、バランスの取れた人間関係と言えます。
『敵の敵は味方』みたいな感じでしょうか。
仕事面では『共通の課題(X)を協力して取り組む』といった構図が考えられますし、恋愛面や友情面では、『苦手なもの(X)が一緒で意気投合した』という例が思い浮かびます。
いずれの場合でも、掛け算の結果がプラスになればお互いにストレスを感じにくい快適な人間関係と言えると考えられます。
マクロな視点で考えると、国と国が共通の敵国を倒すために結ぶ同盟だったり、三国志の中で有名な戦いである『赤壁の戦い』も、上の図のような『マイナス×マイナス×プラス=プラス』の関係のように思えてきます。
実に面白い(*'▽')
4.バランスの取れた人間関係その2
『プラス×プラス×プラス=プラス』となり、バランスの取れた人間関係とすぐに分かります。
『好きな事や趣味が同じで意気投合』だったり、『チームを組んで、自分達のやりたい仕事に取り組む』というような例が浮かび、どれも理想的な人間関係と思えますね(*'▽')
【無理に変えると逆効果!】心理学の法則の法則から、現代のSNSで起きがちな問題を考えてみる
このように、バランス理論の例は考えると尽きません。考えてみると結構面白く感じませんか(僕だけ?(笑))?
ただ身近な人間模様をバランス理論で考えてみることで、現状の人間関係がバランスを保てているかが予測できるのではと考えています。
人間関係は仕事面でもかなり重要な要素になってくるので、人間関係をイメージできる知識を持っておくのは大事だと思います(*'▽')
ところでこれ、現代のSNSで起きがちな問題を表しているようにも見えませんか?
『自分(P)が嫌いなテレビ番組や芸能人(X)を、他の人または他の集団(O)は好きだと言っている。自分はそういう人たちが理解できない』といった、SNSをはじめネットでよく見る文章を表しているように感じます。
それをバランス理論で示してみると上の画像のようになると考えられます。そしてそれは実は、『バランスが取れている状態(プラス)』です。
何が言いたいかというと、「今の状態が均衡取れているんだから、無理に好きになる必要もないし、相手の考えを変えようとするのは逆にバランスを崩すことになるからお互いにストレス溜まるよ?」ということです。
人間関係で余計なストレスは無いに越したことはないし、好き嫌いを強制する必要はないのでは?
脱線しましたが、バランス理論を頭の片隅に入れておけば良好な人間関係の構築に役立つと思います(*'▽')
とはいえ簡単に関係は変えられないでしょうし、ストレスは蓄積されるものですよね(;'∀')
どうしてもストレスが溜まってしょうがないという方は、紙とペンを用意しましょう。
参考記事:【イライラしたときやストレス対処法に是非!】誰でも10分くらいで出来るストレスマネジメント - 実に面白い雑多な研究記録