吾輩はぬこ将軍である。世界を動かすような革新的なアイデアはまだない。
『良いアイデア』を期待されると、「みんなが驚くようなものにしなくては!」とか「ゼロから凄いものを作らなくては!」というプレッシャーを感じることはないだろうか?
吾輩は上司や周りの人から「何かアイデアない?」と聞かれると、張り切って色々考えるものの何も思い浮かばず、思い浮かんでも人に上手く伝えられなかった。
気付けば「何かアイデアない?」というのが無茶ぶりに聞こえてきて、強いプレッシャーを感じるようになっていた。
そんな自分の気持ちを楽に、そして前向きにしてれくたのが今回紹介する本である。
今回は『アイデアの科学の書評』について書く。『アイデアの科学』を読むことで、アイデアを考え出すことが楽しく気軽なものだと思えるだろう。
- アイデアに対するハードルを下げてくれる『アイデアの科学』
- 『アイデアの科学』の内容
- 『アイデアの科学』を読んだ感想
- 『アイデアの科学』を読んだ後に実践してること
- 『アイデアの科学』はどんな人におすすめ?
アイデアに対するハードルを下げてくれる『アイデアの科学』
コンパクトなサイズながら、『アイデアのつくり方や魅せ方、伝え方を論理的に解説している』のが本書である。
著者はポーポー・ポロダクションという、個人なのか団体なのか分からない謎の著者である。
心理学の知見を使って色々なものを作ったり、企業の商品・サービスを改善する仕事をしているようだ。
『アイデアの科学』が面白いのは、心理学と脳科学という科学的な視点でアイデアについて解説している点である。
吾輩は理系なので、科学的な話が入ると面白くてどんどん読み進められる。勿論、理系でない人にも分かるように絵付きで解説されているので安心して読んで欲しい。
本書オリジナルのキャラクター『ミホンザル』が、イメージ図でナビゲートしてくれる。
『アイデアの科学』の内容
『アイデアの科学』の構成
前項で『アイデアのつくり方や魅せ方、伝え方を論理的に解説している』と書いたが、本書ではそれを6つのプロセスに分けて書いている。
それらは『6段階アイデア思考法』としてまとめられており、以下のような構成となっている。
前書きや序章で本書の特徴やアイデアを効率的に生み出すプロセスについて簡単に触れ、1章から『アイデアのつくり方や魅せ方、伝え方』の解説が始まる。
「何かをひらめいたり発想を変えたりするのが苦手・・・」という人は最初から順番に読んでいって、アイデアを生み出すためのトレーニングから始めれば良いと思う。
『アイデアの科学』の特徴的なポイント
他のノウハウ本と違って著者の経験談に基づいたプロセスではなく、あくまでも科学的な根拠に基づいたプロセスについて解説してくれる。
そのため、「なぜその方法が良いのか?」という疑問に対して納得できる答えが見つかりやすく、楽しみながら読書できる。
例えば記憶力を高める方法やアイデア作りに必要な神経物質、そしてメモを取ることのメリットなどについてを、分かりやすく科学的に解説している。
「一見アイデアに関係なそうなのもあるけど、どういうこと?」と感じた人は、是非アイデアの科学を手に取ってみて欲しい。
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アイデアの科学 この1冊で、ひらめきや発想から企画書、説得まで「論理的に」解決 (サイエンス・アイ新書)
『アイデアの科学』を読んだ感想
本書を読んで、以下の2つのことが覆された!
- アイデアは、0から作り上げるものだ
- アイデアは、皆が驚くような奇抜なものであるほどより良い
そして以下の3つの事実に気付かされた!
- アイデアとは既存情報のアレンジである
- よいアイデアとは、自分だけでなく相手が「よい」と思うアイデアである
- アイデアが優れていても、相手に伝わらないと意味が無い
ゼロから創造するのではなく、既存のアイデアををもとに新しいものは出来ていくし、無理に奇をてらう必要はないということに気付き、アイデアに対するハードルが下がった。
この世に「創造の天才」など存在しないのだ。いるとしたら「情報アレンジの天才」だけだ。恐れることはない、技術が身につけばすぐにあなたも近いところに行ける。あなたも必ずできる。よいアイデアが浮かぶだろう。
『アイデアの科学・あとがき』より引用
また本書では『アイデアをつくるための論理的なプロセス』について解説しているが、そこでは例題に対して実際に考えてみる経験ができるので是非やってみて欲しい。
『論理的なプロセス』という言葉がやや堅苦しく感じるかもしれないが、やってみると非常に面白い!
『アイデアの科学』を読んだ後に実践してること
吾輩は元々メモの習慣はあったのだが、本書の1章『アイデアを作るための基礎トレーニング』で解説されている『記憶に感情のインデックスをつける』というものに興味を持った。
自分が見たり経験したものごとの記憶に対して感情を紐づけることで、長期記憶に残りやすくなるというものである。
そういうことなので早速、『アイデアの科学』を読みながら感じたことを付箋に書いて貼るようにしてみた。
付箋の数だけ、自分にとっての驚きや新しい気付き、そして疑問に対する答えが得られた。
さすがに本の内容全てを覚えるのは厳しいが、自分が印象に残ったポイントは、長く記憶に残しておきたいものである。
また元々メモする習慣はあったが、更に些細なことや一見くだらないこともメモをするようにしている。
例えばストローで飲むタイプのカップコーヒーを持ち歩く人を見て、「あんな感じに気軽に持ち運べるカップラーメンがあったらなんか面白そう」と思ったらそれをメモしてたりしている。
『アイデアの科学』はどんな人におすすめ?
『アイデアの科学』は以下のような人におすすめである。
- アイデアを考えることがプレッシャーに感じる
- どうやって良いアイデアを生み出せばいいか分からない
- 自分のアイデアを、上司に「いいね!」と思われるように伝えたい
アイデアに対する心のハードルを下げ、アイデアを生み出す過程が楽しいと思わせてくれ、更に伝え方まで教えてくれる。
それがこの本、『アイデアの科学』である。
更に自分の思考力を鍛えたい人には、以下の記事で紹介している本もおすすめである。
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【若手社員必読!生産性が高い人の思考整理のキホンの書評】思考整理+論理的思考も身に付けられる本 - ぬこ将軍のひとり冒険の書