「周囲の人に頑張りを評価されたい!」、「周囲の人に認められる人間になりたい!」そんないわゆる承認欲求は誰しもが持っているものだと思います。
しかし、その欲求が大きすぎると悲しい結末を迎えてしまうかもしれません。。。
今回は『いきすぎた承認欲求が生産性やモチベーションに与える影響』について、心理学やビジネス書を参考に考察してみたいと思います。
他者からの評価を得たいがために仕事や趣味を頑張るのは、短期集中では意欲が高まるかもしれません。しかし承認欲求が高すぎると、周囲からの評価が高まるのではなく、むしろ逆に悪い影響が目立ってくる可能性があります。
「自分は承認欲求が高いかも」、「他人を意識しすぎているかも」という人は良かったら読んでみて下さい。『他人のため』ではなく、『自分の成長のため』に意識を向けてみてはいかがでしょう?
【生産性やモチベーションや周囲の人にも影響】承認欲求の高すぎる人の末路とは?
人間の『認められたい欲求』は次の3つのようです。
- 結果承認欲求:行動の結果を認めてもらいたい
- 行動承認欲求:行動そのものを褒めてもらいたい
- 存在承認欲求:存在そのものを認めてもらいたい
では、これらの欲求が高すぎるとどうなるのでしょうか?
周囲の評価に振り回され、モチベーションを保ちづらくなる
周囲からの評価のために頑張ることは、一時的にはモチベーションを上げパフォーマンスにも影響を与えられますが、長期的に見るとモチベーションが上がらなくなるようです。
ルース・バトラーという心理学者が面白い実験をしています。
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中学生たちをAチームとBチームの2つに分けてテストをしてもらう。
Aチーム:「他の学生と比較して評価する」と伝えた
Bチーム:「あなたの成績の上がり具合を基準にして評価する」と伝えた実験の結果、何度かテストを繰り返すうちにBチームの学生の方が成績の伸びが大きく、テストが楽しかったという声も多かった。
このことから、相手からの評価よりも『自分自身の成長』を目標にしたほうがモチベーションを保ててストレスも感じにくいと考えられます。
確かに自分が評価されるたびにモチベーションは上がり良い結果を出し続けられるかもしれませんが、周囲の評価は自分でコントロールできません。なので最終的には『評価を落とさないレベル』で満足してしまい、モチベーションが上がらなくなるのかもしれません。
また周囲の評価を気にしすぎると、失敗したときに「自分には能力がない」「自分には運がない」と落ち込み、努力しなくなったり意欲をなくす可能性もあります。このことは、『エイムズの実験』という心理実験で示唆されています。
職場に問題を引き起こし、職場環境が悪くなる
仕事においても、承認欲求が高すぎると自分と周囲の人両方に悪影響を及ぼすかもしれません。
「自分の仕事ぶりを人に認められたい」、「自分にしかできない仕事があることを褒められたい」という欲求が高いと、『属人化』という職場の問題を引き起こす可能性があります。しかもそういう人たちは脱属人化に向けたマニュアル作成を嫌う傾向もあるようです。
特定の仕事が自分にしかできないということは自身の残業時間が増える原因になるし、マニュアル化できないと周囲の人も困りますよね?職場全体の生産性にも影響がありそうです。
業務改善・オフィスコミュニケーション改善士でもあり、『職場の問題地図』の著者でもある沢渡あまね氏は本書内で、「脱属人化に抵抗する人たちは自分にしかできない仕事や知識に自分の存在意義を感じている」と解説しています。
【客観性より主体性】承認欲求の塊に対する対策
「他者に評価されたい」という客観的なものではなく、「他者に貢献したい」という主体的な発想に転換するのが良いかもしれません。前項で説明したルーズ・バトラーの心理実験の結果のように、「自分の頭を鍛えたい」などの主体的な目標を持ったほうがモチベーションが上がり続け、継続的に成績も伸びやすいと考えられます。
参考記事:仕事ができない人ができる人に生まれ変わるための方法を、ビジネス書から提案してみた(その2) - 天ゆる~天下一ゆるいライフハックを実践するブログ~